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紫外線によるケーブル劣化

電気・通信のインフラでは様々なケーブルが用いられており、劣化対策には常に注意が払われています。

ケーブルの劣化により断線すると、電力の供給がストップし、洗濯や掃除、料理といった家事ができない、テレビ・エアコン等の家電製品が利用できない、通信が停止し、電話が使えない、インターネットの各種サイトへアクセスできない事態が発生し、私たちの日常生活に甚大な影響を及ぼします。ケーブルの劣化は自然災害が原因であったり、ねずみやカラス、モモンガといった鳥獣がかじる行為で生じたり、クマゼミといった昆虫によるケーブルへの産卵によるものが知られています。

その一方で、紫外線での劣化も注意しなければなりません。ケーブルには、外部からの干渉を防ぐ役割を果たす絶縁体や、風雨等による外部からの衝撃を防止するための被覆にポリエチレン素材が用いられていることがあります。ポリエチレンは、紫外線に長時間曝露されたときに著しい劣化を生じるという問題が明らかになっており、紫外線防止対策が長年研究されてきました。一般的な対策には、被覆で用いられるポリエチレンにカーボンブラックを混合する方法が採られています。

カーボンブラックとは、直径が300から500ナノミクロン程の炭素の微粒子であり、無定形炭素と呼ばれるものの一種です。カーボンブラックは紫外線を吸収する性質をもっているため、ポリエチレンに配合し、被覆を製造することで、効果的に紫外線による劣化防止を得ることができます。

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